江戸時代、町人文化の中で生まれ発展してきた歴史があります。
江戸切子というとガラスのカットワークに加え、鮮やかな色も印象的です。
主流は瑠璃と銅赤、つまり青と赤です。
目の覚めるような青と赤の江戸切子は定番でもありますが、
その華やかなルックスは高級感もあり、贈り物としても大変人気があります。
美しく明るい色合いが主流の中、近ごろはモダンな漆黒の江戸切子が登場し、
若い方から人生経験を重ねた男性にも大変好評を得ています。
新しい色、形、商品などの開発や展開が容易な産業もありますが、
江戸切子に関しては、この黒い製品を生み出すのには大変な研究と技術が必要でした。
熟練した技術を持つ職人が、光を通さない漆黒のガラスを操り、
指先に神経を集中させ、指先と目で見た感覚とを駆使して削り通す必要があります。
機械で色や絵柄をつけること、大量生産することが可能な時代ですが、
そんな時代だからこそ、この職人の腕によって創り出されている黒い江戸切子の価値が認められているように思います。
青や赤の江戸切子は既に持っているという方も、
繊細な江戸切子がお好きという方にも、
この黒い江戸切子は目新しく、手間暇をかけた高級感が群を抜き、贈り物として最高です。
伝統的な技術の中に、新しく、スタイリッシュである二面性がお楽しみいただけます。
当店では、太武朗工房・伝統工芸士である木村泰典氏の黒・江戸切子をお取り扱いしております。
→江戸切子「黒」縦縞紋オールド/右
当店では江戸切子のお取り扱い実績も長く、大変ご好評を得ておりますが、
今イチオシの江戸切子太武朗工房の黒です。
ちなみに7月5日は『江戸切子の日』です。
江戸切子のカットにはいくつもの伝統的な文様がありますが、
その中から「魚子(ななこ)」7(なな)5(こ)の語呂合わせで、2008年に認定されました。
魚子文様は江戸切子のみならず、金工や織物などにも用いられている和柄のひとつで、
魚の卵をモチーフとした細やかな文様です。
職人の腕がモノをいう繊細なカットが、光を反射してキラキラときらめく魚子文様、
ぜひ伝統的な江戸切子工芸にもスポットが当たることを願っています。